DNAは変わらない
これからも
「感謝」と「挑戦」

大桃 洋大桃 洋

教員は28項目
自己評価の仕組み

大桃:教員には教員独自の行動指針が28項目あり、職員の行動指針とは別のものとなっています。そのため、「行動指針推進プロジェクト」は職員の行動指針を中心に扱い、教員の行動指針については関与していませんでした。

船山:行動指針の本質は、ただ浸透させるだけではなく、最終的には実践や行動変容につながることが重要だと考えます。教員たちは、自分の行動が行動指針に基づいているかを半期に一度、自己診断によって評価しています。「できているか」「できていないか」を評価する中で、行動指針を単に覚えているかどうかではなく、「その内容を実際に実践できているか」を振り返ることが目的です。
28項目すべてを覚えているわけではありませんが、定期的にそれらに触れることで、自分の行動を再確認し、行動指針の精神を再認識することが大切だと思います。
今後もこのような仕組みを維持しつつ、より良い形で教員や職員が行動指針を実践できる環境を作っていけたらと考えています。

人材育成方針と
結びつく行動指針

船山:先ほど行動指針推進プロジェクトメンバーにお話しいただいた、職員用の10項目に対する「多すぎる」「実践しにくい」というアンケートの結果は役員会にも届きました。そして、行動指針は人事考課制度とも関連しているため、評価項目の中でどのように解釈し、咀嚼して反映するかも検討課題となりました。

大桃:そうですね、評価される側としては、「考課の項目には入っているが、それがどのように業績に反映されているのか分からない」と感じていた方も多かったのではないでしょうか。

丸山:加えて、行動指針だけではなく、電子学園全体の人材育成方針が明確になっていなかったことも大きな課題でした。そこで、人材育成方針を明確化し、それを基盤にした行動指針を定めることになりました。
この新しい方針は、研修制度の整備など、2025年度から大きく変わる新体制で、変革に結びつくと考えています。

船山:新しい行動指針が人事考課制度そのものを覆すわけではありませんが、精選された内容を反映させることはありえます。時代に合わせて、考課制度の小さな改善を継続的に進めることも重要
です。

シンプルでわかりやすい
新・行動指針の誕生

出谷:「ありがとう たちむかう」というシンプルな2つの言葉にまとめられ、一度聞けば忘れにくい、記憶に残る行動指針になったと思います。

松島:そうですね。非常に満足しています。簡潔で覚えやすくなったことで、判断に迷ったときの拠り所として活用しやすくなると感じています。教職員のみなさんの反応はいかがでしょうか?

出谷:現段階ではまだ分かりませんが、これから現場の意見をじっくり聞いていきたいと考えてい
ます。

河島:これまでの教員用28項目、職員用10項目から、電子学園全体として重要なエッセンスを抽出し、経営理念とも結びつく形で新しい行動指針が誕生しました。
「ありがとう たちむかう」という言葉は、一度聞けば忘れないほど印象的であり、今後はこの言葉を基に、個人が具体的にどのように実践していくのかが問われると思います。

出谷:本プロジェクトの役割は、「行動指針をどのように学園に浸透させるか」を考えて、実践に移すことです。長年活動してきた中で、「どうすれば行動指針が浸透し、実践されるか」をメンバー全員で悩み、議論を重ねてきました。例えば、インタビューや部署別の企画、ポスター掲示など、さまざまなアイデアが出てきました。
これからも試行錯誤を続けながら、取り組みを進めていきたいと思います。

河島:2023年度から部署別の企画を立案し、各部署で行動指針の項目のうち2〜3項目を選び、2ヶ月間の実践期間を設けました。この取り組みは2025年1月と2月が最後になりますが、結果として、個人や部署全体の実践度が向上しました。また、部署全体で一つの目標に取り組むことがコミュニケーションの活性化にもつながり、良い企画だという声が寄せられています。

河島 綾河島 綾

一人ひとりの声を
拾うことで
つながる達成感

考課制度との連携と
新しい行動指針の意義

大桃:今回、行動指針がシンプルで分かりやすい内容に整理されたことで、考課制度にもより平等性が反映され、良い形で改善されたのではないかと感じています。

丸山:現在の考課項目として設定されているのは、「主体的チャレンジ思考」「自己研鑽」「コミュニケーション」「組織の枠を超えた共同」の4つです。
「ありがとう」は「コミュニケーション」に該当し、「組織の枠を超えた共同」には感謝の気持ちが欠かせません。また、「主体的チャレンジ思考」と「自己研鑽」は「たちむかう」という行動にそのまま結びつきます。
これら4項目が2つのキーワードに集約されたことで、電子学園全体の考課項目としての一貫性が確認できました。考課項目を無理に変更する必要もなくなり、非常に納得感のある形に整えられたと思います。

大桃:電子学園は挑戦を続け、同時にそれを支えてくださった方々への感謝も忘れずに進んできた歴史があります。電子学園創立70周年では、「感謝。そして挑戦」というテーマが掲げられました。
今回の行動指針「ありがとう たちむかう」は、この精神をそのまま言葉にしたものです。過去から受け継がれてきた精神を保ちながら、シンプルで明確に整理された指針になったと感じています。

船山:これまでの課題が取り除かれ、覚えやすく、実践しやすい行動指針に仕上がりました。「ありがとうたちむかう」という2つの言葉は、電子学園の全教職員が態度や行動、そして言葉で示し、実践することが求められるものです。
この行動指針は、決して表面的なお題目ではなく、経営理念や建学の精神とも深く結びついています。電子学園全体が一丸となるためのキーワードとして機能することを願っています。

2025年度新体制で
「電子学園人」を問う

船山:今回の行動指針は、新しい総務人事部の視点から、人材育成における重要な役割を果たすものでもあります。特に次世代の電子学園を担う人材の育成が今後の大きな課題です。「電子学園人」とはどのような人材なのかを明確にし、その理想像を行動指針によって示すため「電子学園人材育成方針」という新たな規程が策定され、4月から新しい体制でスタートします。
今回の行動指針がちょうど良いタイミングで完成したことに感謝しています。

大桃:教職員全員が日々の業務の中で実践するために、「行動指針推進プロジェクト」のメンバーに引き続き活躍してもらう必要があります。これまでのプロジェクトの継続性を持たせながら、学園全体で指針を浸透させ、実践するための取り組みを進めていきたいと思います。

船山:具体的な実践には、プロジェクトメンバーの意見や活動が欠かせません。新しい行動指針が学園全体に定着するよう、これからも試行錯誤を重ね、一緒に取り組みましょう!