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02 日本電子専門学校 電気工学科 高度電気工学科 テクニカルチーフ 永井 淳 jun Nagai02 日本電子専門学校 電気工学科 高度電気工学科 テクニカルチーフ 永井 淳 jun Nagai

学生のこれまでの歩みを受け入れ、
それぞれの学生の視点に立って導きます。

Q:前職のことや電子学園に入職されたきっかけなど教えていただけますか?

私は2017年11月に入社しました。前職は特許事務所で発明家の方から話を伺い、特許庁に提出する申請書を作成する仕事をしていました。大学院生時代に電気系の研究室にいたので電気への関心はずっとありました。 電子学園に転職するときには学生に教えながら、自分が好きなことを研究できるかもしれないなんて思って応募しました。実際に入ってみると教育と就職指導のプレッシャーで研究どころではないですが。(笑)

Q:先生になってどのようなことを感じますか?

カリキュラムがかなり自由なことに驚きました。国家資格の認定学科なので科目名はある程度決まっていますが、授業内容には自由度があります。エネルギー情勢等によって制度が変化しやすい電気の世界に合わせて授業内容を変えることもできます。また業界で活躍している人を招いて講義ができることも学生にとって有意義だと思います。太陽電池の世界シェアトップ3の方に業界のリアルなお話を聞かせてもらうこともあります。

Q:教え方で工夫していることはありますか?

学生同士で教えあう環境をつくることを意識しています。時には競い合うようなことも取り入れて、学生同士がコミュニケーションをとるようにしています。例えば小テストを行ったら、隣の人の答案をお互いに採点し、間違えた部分を教え合うよう指導しています。疑問があったらすぐに私のところに聞きに来るのではなくて、まず学生同士で解決するよう促します。これは教えてもらう側はもちろん、教える側の学生にとっての理解もより深まるからです。夏の難関資格試験の前などはモチベーションの高い学生に旗振り役をしてもらって、休日に外部の貸し会議室で自主勉強会をしてもらったところ成果が上がりました。こうしたことの積み重ねで学生がお互いに助け合うチームになるよう心がけています。

Q:大変なことは何ですか?

就職指導の責任の重さを感じています。これは学生の一生にも関わりうることなので慎重になりますね。最低でも一人三回の個人面談をするのと、適宜個別に相談をして本人がしっかり納得して動けるように心がけています。それでもなかなか全員がスムーズにいくものではありません。授業ではとてもまじめでしっかりと勉強ができていても、いざ就職活動になると面接に対する極端な苦手意識から全く動けなくなる学生、本人と保護者の進路の意向が違った学生もいました。このときは例外的に学生も加わり三者面談の形にしてお話を伺いました。どちらのケースもじっくり話を聞き、丁寧に対応することで解決することができました。とにかく早め早めに学生それぞれの状況をしっかり把握して、短期間で性格や適性を見極めることが大切だと思います。そのうえで合う業界や会社などを導いていきたいです。

Q:就職指導は担任の先生だけで対応するのですか?

いえ、チームでやっている感じですね。学科内の先生方にいつも助けていただいています。先生によって指導のスタイルも違うので、「この学生はこの先生からアドバイスしていただこう」というように自分なりにコーディネートしています。

Q:それぞれの先生はどんなご指導をされるのですか?

本科の科長は学生をぐいぐい引っ張っていく指導をされていてやはりすごいです。本来進路は学生が自主的に決めるべきだと考えていましたが、ある程度導いてあげる必要があることに気づきました。
またある先生はとにかく学生のことをよく見ています。提出課題の手を抜いてサボろうとしている学生がいた時に、私は学生の言い訳を鵜呑みにしてしまいがちですが、その先生は見逃しません。こういうことは早いうちに指摘してごまかさないように直させるのが大事で、私はまだ甘いなと感じています。

Q:就職でも学生同士のコミュニケーションは活かせますか?

はい。2年生から1年生に自分の就活の話や内定先企業の魅力などを話してもらう場をつくりました。まだ就職への意識の薄い1年生にとっては、大人(先生)から言われるよりもある意味、先輩たちの体験談がよい刺激になっているようです。勉強で忙しい学生たちに就職活動への興味を向かせるよいきっかけになります。

Q:最後に今後どんな先生になりたいですか?

行動指針にあるように一人ひとりの学生の視点に立ってよい指導をしていきたいです。学科としては第一志望に8割就職し、東証一部上場企業にも就職しているのはすごいと思いますが、彼らが就職先で一人前になるまで責任があると思いますのでそこまで見届けていきたいです。教員としての道を歩み始めたばかりなので先輩方から学んだことをしっかり実践していきたいです。あと、自分の研究もあきらめていません。(笑)

Q:「5年後の私へ」

1点目は、卒業生の第1種電気工事士合格率を9割以上とすることです。私が指導する生徒には、本国家資格に合格する程度の知識を習得してもらいたいと考えています。
2点目は、現状定員割れを起こしている電気工学科の出願者不足を解消することです。電気分野の技術者が不足しているにも関わらず、毎年電気系へ進路選択をする高校生が減少しています。将来的には、少子化の状況でも電気志望の学生が増加するよう業務に邁進したいと考えています。