未来をつくる 期待にこたえる 学園へ未来をつくる 期待にこたえる 学園へ

学校法人電子学園 理事長 多 忠貴

1984年(昭59)日本電子専門学校芸術学部卒。同年放送技術社入社。87年NHKテクニカルサービス(現NHKテクノロジーズ)入社。06年電子学園入職。16年より電子学園理事長。

様々な課題を乗り越えるため
中期計画に取り組んでいく

現在、電子学園では、2016年からスタートした長期ビジョン「NEXT10」が進んでいます。2020年のiU開学を筆頭に多くの施策にチャレンジし、一定の成果を上げてきました。その「NEXT10」も残すところ一年となり、次期中期計画を検討する時期に入っています。
社会環境に目を向けると、技術革新に伴う産業構造の変化や国際競争の激化等がみられ、生産年齢人口の減少も進んでいます。急速な少子化を踏まえ、高等教育機関の在り方についての議論もなされており、われわれを取り巻く環境は大きな変革期を迎えているといえます。
先々を見通すことが難しい時代にあって、電子学園のスローガンである、『「こたえる」を次々と。』を着実に具現化していくために、2026年度からの中期計画「Denshi Vision 2030―未来をつくる、期待にこたえる。―」を策定しています。「未来をつくる」には、国内外の課題を解決して、新しい未来をつくっていく人材を輩出していきたいという想いを、「期待にこたえる」には、卒業生や保護者、高等学校や日本語教育機関の先生方、連携企業の期待にこたえる学園でありたいとの意味を込めています。こうしたコンセプトのもと「学校法人電子学園の新たな挑戦」、「iUのさらなる伸張」、「日本電子専門学校の確かな歩みと新たな未来」、「経営資源の盤石化」という四つのテーマを立て、それぞれに即した施策を実行していきます。

教育にかける情熱という
設立からの灯火を絶やさない

これからの社会において必要な力とは、「変化への柔軟性」と、その変化に対応するために「自ら学び続ける姿勢」ではないかと考えています。
iUは開学当初から、「変化を楽しみ、自ら学び、革新を創造する」という教育理念を掲げています。変化の激しい時代にあって、それを決して恐れず、むしろ受け入れて楽しむこと。また、そのためには、自ら率先して学び続けることが大切であることを表しています。また、JECは、70有余年の歴史のなかで、社会や時代の変化を捉えた先進的な職業教育を進めるべく、学科を新設してきました。変化には必ずニーズがついてきますので、変化とニーズの関係を読み間違えることなく、今後も工業分野の専門学校として先導的な役割を担っていきたいと思っています。また、自ら学び続けるという意味では、社会人の学び直し、いわゆるリカレント教育やリスキリングへの対応にも両校でチャレンジしていくつもりです。
このように変化を受け入れ、対応しながら、電子学園は創立73年を迎えました。こんにちも健全に、また実直に教育事業に取り組めているのは、教職員一人ひとりの尽力にほかなりません。まずは全ての教職員に感謝を伝えたいと思います。そして、これまでも、またこれからも学園の主役は教職員の皆さんであることを忘れず、その上で、学生の期待を共感に変えられるように、また学生の夢や希望を実現できるように全力を尽くすという一点を、教職員の皆さんに期待します。
先ほどもお話ししたように、これからわれわれが歩んでいく道は決して平坦ではありません。しかしながら電子学園は、終戦からわずか6年の1951年に設立を果たし、「電子技術を核とした創造性豊かな技術者の育成を通して世界に貢献する」という建学の精神のもと、教育を通じて社会の期待や産業界の課題にこたえ続けてきました。この″教育にかける情熱〟という灯火、歴史を重ねるごとに希望の光を大きくしてきた灯火を、未来永劫決して絶やしてはいけないと思っています。
次期中期計画が完了する2030年は、学園創立80周年、iU開学10周年という節目の年でもあります。今後迎える混沌とした時代のなかでも、これまでの実績や経験を礎とした先見性を活かしながら、新たな中期計画のコンセプトにのっとり、「未来をつくる、期待にこたえる。」学園を目指し、一意専心で奮励努力を続けていきます。